ジャズ馬鹿選盤日記

ジャズ馬鹿男の気まぐれ選盤をお楽しみください。 何気ない日常と共にジャズを。

ジャズ馬鹿男の選盤、さて今回は…

三連休でしたね


この時期のお休みは過ごしやすくて
どこかへ行きたくなります。
でも、やっぱりのんびりしたいなぁ。
どうやらお疲れモードのブログ主。

スーパーかコンビニに寄って、
いやちょっと商店街に行くのもありだなぁ。
好きなおつまみでも買って。
ちょっと奮発してボトルワインでも買いますか!?
缶チューハイやビールも良いですが、
たまには一つのワインをじっくりと
味わうのも乙なものでは。


ジャズに合うワインとは…


と言ってもワイン通ではありませんので
えらそうな事は言えませんが、
キリリとした白ワインが合いそうな…

そうこう考えての買い物から帰り、
夜半にワイン片手にこういうジャズは
どうでしょう。

というわけで今回の選盤はコチラ!

2017-10-30-02-02-03

ファブリツィオ・ボッソ「You've Changed」
レーベル:BLUE NOTE(ブルーノート)
リリース:2007年

<レコーディングメンバー>
ファブリツィオ・ボッソ(トランペット、フリューゲルホーン)
ピエトロ・ルッシ(ピアノ)
ルッカ・ブルガレリ(ベース)
ロレンゾ・ツィッチ(ドラムス)
ダイアン・リーヴス(ボーカル 3曲目)
セルジオ・カンマリエーレ(ボーカル 6曲目,10曲目)
ステファノ・ディ・バティスタ(ソプラノサックス 4曲目,9曲目)
べボ・フェラ(ギター 7曲目,8曲目)
ブルーノ・マルコジ(パーカッション 7曲目,8曲目)
パオロ・シルバストリ(アレンジ、オーケストラ指揮)


イタリアが誇る超絶トランペッター、


ファブリィツィオ・ボッソ

日本でも支持の高いハードバップグループ「High Five」での活躍、その他リーダー作からサイドメンから八面六臂の活躍でよく知られております。
私も数年前に彼の生演奏に触れましたが、こんなにもトランペットが吹ける
ミュージシャン、そうそういないと思いました。
          



〈収録曲〉
1.The Nearness of You
2.Nuovo Cinema Paradiso
3.You've Changed
4.Senza Fine
5.Georgia on My Mind
6.Estate
7.Rio de Majo
8.Summer Samba
9.Joyful Day
10.Per Ricordarmi Di Te
11.You've Changed

ボッソといえば、豪快に、無尽蔵に吹きまくるトランペットが大きな魅力なのは間違いないのですが、
バラード演奏においても超一線級である事がこのメジャーデビュー作で世に知れ渡ったのでした。

"The Nearness of You"が挨拶がわりに
鮮烈に響きます。
そしてそしてこの作品の邦題のタイトルにもなった、映画「ニューシネマパラダイス」のテーマでロマンチック指数急上昇!!
グラスに注いだワインを一気飲みしてしまう!!
ストリングスをバックに丹精込めた吹きっぷり、

イタリアの伊達男は落とし所をわかってますね、うん。


ダイアン・リーヴスやイタリアのシンガー、セルジオ・カンマリーエーレを迎えたナンバーも「大人のジャズ」を意識した良いテイクですが、このアルバムには
不要だったのでは。
カットして、よりボッソのトランペットを聴かせてほしいとも思いましたが、
メジャー作で商業的な狙いもあるので
致し方なかったのでしょう。

とは言いながらもカンマリエーレの
歌が見事にハマっている"Per Ricordarmi Di Te"は歌モノとしては好みなのですが。
世界観バッチリです。

でも締めを飾るインストバージョンの
"You've Changed"を聴くとやっぱりボッソのトランペットのみで通してほしかった…と思う自分が再び顔を出すんです…



もう一杯飲んで、そんな邪推は忘れますかね。笑

Fabrizio Bosso
2007-01-30


 立川志らく師匠が好きです。

最近、TBSの「ひるおび」のコメンテーターでの出演で、
一般的知名度がぐんと上がったように思います。
渡辺プロに所属されてからメディア露出が伸び、
さらにツイッターでの忌憚のない物言いが 
ネットニュースを賑わす事もしばしば。

という私も落語は今年から聴き出しました。
志らく師匠を知ったのは立川談志師匠の兄弟弟子である 立川談春師匠の
「赤めだか」を読んでからという

ミーハーですので、

胸を張ってファンと言えるにはまだまだ。

そんな私が語るのもおこがましいですが、志らく師匠の深い落語愛、
落語という表現を突き詰める姿勢に各著書で触れるにつけ、
どんどんその魅力の深みにハマりまして。
何より、そのスピード感ある落語の語り口、
リズムを重要視する音楽的観点にブログ主ゾッコンであります。
先日NHKの「日本の話芸」での"死神"も拝聴しましたが、手に汗握る迫真の高座でした。


ジャズと落語はよく共通項が多いと語られ、 
近年それを特集した雑誌企画も
話題となりました。
落語はかなり盛り上がってきているように感じますが、
国内ジャズシーンの盛り上がりもなかなかだと思うんです。

そんな中でも先鋭性の光る作品を選盤いたしましょう。
   




吉本章紘&須川崇志「Oxymoron」
レーベル:MOR Records
リリース:2017年

<レコーディングメンバー>
吉本章紘(ソプラノサックス、クラリネット)
須川崇志(ベース、チェロ)
二ラン・ダシカ(ピッコロ・トランペット 11曲目のみ)

兵庫県神戸市出身。
甲南高校ブラスバンド部、そしてバークリー音楽院を経て、
東京のジャズシーンを中心にアーロン・チューライグループや、
大西順子セクステット様々なグループでも活躍するサックス奏者、

吉本章紘

世界最大規模の作曲コンテスト『International Songwriting Competition 2014』では、
ファイナリストに選出されるなど、作曲家としても高い評価を受けられています。


2006年にバークリー音楽大学を卒業後、ニューヨークに進出。
ピアニスト菊地雅章氏に出会い、氏のアートフォームから多大な影響を受ける。
2009年に帰国後、辛島文雄トリオを経て日野皓正のベーシストを6年間務める。
現在は峰厚介、本田珠也、八木美知依ほか多くのグループに参加。
即興演奏を主体としたソロ公演も定期的に開催するなど精力的に活動中のべーシスト、



須川崇志

   


国内ジャズシーンの先端をひた走る二人によって、
下北沢の「アポロ」で録音された即興演奏集。






1. Walk Around

2. Water Ripples

3. Password 

4. Mokume #1

5. Bass

6. Room

7. Suidokan

8. Mokume #2

9. Wheel 

10. Mokume #3

11. Enpitsu Hiko


再生ボタンを押すと飛び込んでくる二人の音の生々しさ。
不協和音のような禍々しさから徐々に耳が慣れ、
各自の音の「声」の造形があらわになってきます。

分類の必要などないのですが、あえて分類するなら
「フリージャズ」となるのでしょう。
しかし、そのフリーフォームは


聴き手を置いてけぼりにするのではなく、


柔らかく耳の奥底に響いてきます。

各楽器自体の音の鳴りの良さ、その音色を聴いているだけでも
心地良いですが、さらに無の状態から構築される過程を辿る楽しさ。
吉本氏と須川氏が一心不乱に音を重ね合わせる重厚なセッションにも
関わらず、聴き終えた後の静謐な感情が心地良いです。

アドリブの魅力、それこそジャズの醍醐味ですが、
まさにそれは落語にも通じるもの。
落語は一人で生み出しますが、このデュオが生み出す"オチ "も


聴くたびに変わっていくことでしょう。


基本的にライブ会場での限定発売との事。
詳しくは下記、吉本氏のサイトを参照ください。

http://jazzakihiro60.wixsite.com/akihiro-yoshimoto

しがないサラリーマンの昼食は
某牛丼チェーン店が多い。
いや、ワンコインもかけたら贅沢だ(ほんとにそうですよ)と
自分に言い聞かせ、最寄りのお店へ。


特に当てもなく入ってメニューを形式的に眺めて、店員さんを呼ぶ。
注文を目の覚めるような大きな声で復唱、いやぁ元気いいなぁ!好印象。

で店員さん厨房まで行ってさらに復唱。
マニュアル徹底してるのかなぁ、確実だなぁと感心。


と…さっきの店員さんが戻ってくる。

店員さん「えー、並で卵ありでしたっけ?」

私「いや、大で卵ありでつゆだくです。」

とのやり取りをする。
誰にでも聞き間違いや、聞き忘れはあるさ、うんうん。


そしてついに登場!
本日の昼飯!ジャジャーン!


店員さん
「お待たせしました!並の卵ありです!」


私「並?? ??
いや、大ですよ、注文したの。」

店員さん「失礼しました!」

と改めて持ってきて、
今度は間違いない様子。

私「で、これ、つゆだくですよね?」

店員さん

「……………
 

確認いたしますっ!」


私「も、もういいです!これでいいです!」

とささやかな昼飯のつかの間、大だか並だか、つゆだくかどうかで
繊細な神経をすり減らしてしまったのでした。

まーったくもう!と頭に血が上りましたが、いやいやそもそも過剰なサービス、
完璧な接客を求めてはいかんですよ。超高級店ではあるまいし。

心を広く持て、クールに振る舞え…

と自分の胸に訴えかける時に流れてきたら嬉しい作品を選盤いたしましょう。



アニー・ロス「A Gasser!」
レーベル:Pacific Jazz (パシフィック・ジャズ)
リリース:1959年

〈レコーディングメンバー〉
アニー・ロス(ボーカル)
ラス・フリーマン(ピアノ )
ビル・パーキンス(テナーサックス 1~2曲目)
ズート・シムズ(テナーサックス 3~15曲目)
ビリー・ビーン(ギター 3~7曲目)
ジム・ホール(ギター 1~2,8~15曲目)
モンティ・ヴァドウィグ(ベース)
フランク・キャップ(ドラムス 3曲目)
メル・ルイス(ドラムス 1~2曲目,4~15曲目)




ジャズコーラスグループの「ランバート,ヘンドリックス&ロス」の一員としての活躍で知られる、
姉御肌な気前の良い、切れ味ある声で聴かせてくれるボーカリスト、

アニー・ロス

自身のリーダー作となると、さらにそのクールな歌唱をより際立たせて、
「大人」のジャズを聴かせてくれます。この格好良さ、年齢を重ねるごとに
染み渡りそう…



<収録曲>
1.I'm Just a Lucky So And So
2.
You're Nearer
3.
I'm Nobody's Baby
4.
Lucky Day
5.
Invitation To The Blues
6.
You're Driving Me Crazy(Instrumental)
7.
Invitation To The Blues (Instrumental)
8.
Everything I've Got
9.
I Didn't Know About You
10.
I Was Doing All Right
11.
You Took Advantage Of Me
12.
I Don't Want To Cry Anymore
13.
Bones For Zoot(Instrumental)
14.Funky Old Blues(Instrumental)
15.Brushes(Instrumental)

当時のウェストコースジャズの腕利きを従え、
夜、とりわけネオン輝く都会の夜空にマッチしてこの上ないムードを醸成。
重すぎず、軽すぎず、このバランス感覚を出すのは並大抵の力では出せません。

I'm Nobody's Baby ”でのちょっと突っぱねた感じで気風よく歌うアニー。
続く“Lucky Day”でのスキャットから始まるアレンジもとっても

自然

なんですよね~。

I Don't Want To Cry Anymore”における、
自己を見つめて、自分に語りかけるかのような歌唱、
これぞ都会の孤独、寂しさをうまく表現しています。

このアルバム、ズート・シムズがフィーチャーされていて、
確かにやっぱりズート最高!!となるんですが、
1、2曲目に参加の

ビル・パーキンスもたまらん!!!

アルバムに数曲あるインストも決してオマケ的内容でなく本格的です。




こういう小粋なジャズをチェーンの牛丼屋で聴いても味気ないですが。


A Gasser!
Annie Ross
Capitol
1990-10-25



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