ジャズ馬鹿選盤日記

ジャズ馬鹿男の気まぐれ選盤をお楽しみください。 何気ない日常と共にジャズを。

タグ:トロンボーン

 プロ野球後半戦始まりましたねぇ。


こないだのオールスターでは今年の勢いそのままにホームラン競争では
ソフトバンクホークスの柳田選手が大活躍。
大谷君も代打で出てきて、あわやホームランという大きなフライ。
万全でないのにあれだけ飛ばせる大谷君はやっぱり…怖い!笑

しかし我が贔屓のチームであるヤクルトスワローズの不甲斐なさったらもう…
真中監督にそのやりきれない怒りの矛先を向ける気持ちも
わかるっちゃわかるんですが、もう今年はとことん若手成長の場を作る!
と思って、ファンの皆さん我慢しましょう!

と言いながら、

不満タラタラのブログ主ですが…


こんな時は安心安定、匠の演奏を聴きたくなる!
というわけで今回の選盤は…



スライド・ハンプトン「ROOTS」
レーベル:Criss Cross
リリース:1985年

〈レコーディングメンバー〉
スライド・ハンプトン(トロンボーン)
クリフォード・ジョーダン(テナーサックス)
シダー・ウォルトン(ピアノ)
デヴィッド・ウィリアムス(ベース)
ビリー・ヒギンズ(ドラムス)


ジャズシーンを代表するトロンボーンプレイヤーとして、またアレンジャーとしても才覚を発揮する、


スライド・ハンプトン


「The Fabulous Sllide Hampton Quartet」が代表作としてよく挙げられますが、
いやいや今回紹介する本作もベテランの味わい深い充実の1枚となっております。



↑アルバムとは関係ありませんが
比較的作品リリースに近い時期のスライドのライブ映像

〈収録曲〉
1.Precipice
2.Solar
3.Roots
4.Maple Street
5.My Old Flame
6.Just in Time
7.Prncipice(take 1)
8.Barbados

 
なにせリズムセクションは鉄壁の

シダー・ウォルトントリオ

ですからね。
フロントを盛り立てることに関してはシダーの18番なわけです。
しかもスライドとペアを組むテナーサックスはこれまたジャズファンにこそ評価の高い、

クリフォード・ジョーダン

ですよ。聴かなきゃ損損!

スタジオでの会話から始まる"Solar"で聴かせるスマートな菅のハーモニー、シダーの理路整然としたフレージングが映えています。

"My Old Flame"ではベタっとせずにサラッと、と言えば分かりやすいでしょうか。
甘くなり過ぎなテイクが多いこのスタンダードナンバーをしっかりとした聴き応えあるテイクに仕上げています。
続く"Just in〜"はクインテット編成での模範たる充実の演奏。

ただ全体的に少々まとまりすぎているという気もします。
もっと熱く振り切れる瞬間がいくつかあればさらに魅力を増すのですが。
まぁでもほんと、 そんなのは

贅沢言い過ぎなのですが。


個人的にいつも縁の下の力持ちを地で行くデヴィッド・ウィリアムスの活躍が目立つのが嬉しいですね。

SLIDE HAMPTON QUINTET
2008-12-03

   

ブログ主の正月休みも本日で終了…泣

お正月は「東西寄席」と銘打って、漫才、大道芸、落語などなど、
ベテラン中堅若手の至芸をたんまりと楽しめて初笑い。
ブログ主は

中田カウス・ボタン師匠

が登場すると、あぁ正月だなぁ、めでたいなぁとしみじみすると同時に
お二人の真実か嘘か、どちらとも取れるやり取りにニヤニヤしちゃいます。

こういった寄席番組では普段なかなかテレビでは見れない漫談や落語の名人芸も味わえます。
"漫談界のコルトレーン"、ケーシー高峰師匠、まだまだ毒っ気、艶っ気が利いていて面白かったなぁ。

そんな中でも、一番印象深かったのは

柳家喬太郎師匠

ご自身の創作、「午後の保健室」を短くまとめて披露されていたのですが、
もう面白くて面白くて。
最近、春風亭昇太師匠とCMにも出演されていたので、お名前とお顔は存じてましたが、
これを機に一気に喬太郎師匠と落語に興味深々。
師匠が記された落語古典を紹介された「落語こてんパン」も早速買って読んでおります。

喬太郎師匠のほのぼのとした容貌と語り口を聞き、また読むにつれ、同じくほのぼのとしたトロンボーンが
聴きたくなったので、今回の選盤はコチラ↓


フランク・ロソリーノ「I Play Trombone」
レーベル:Bethlehem(ベツレヘム)
リリース:1956年

〈レコーディングメンバー〉
フランク・ロソリーノ(トロンボーン)
ソニー・クラーク(ピアノ)
ウィルフレッド・ミドルブレックス(ベース)
スタン・リービー(ドラムス)
   
東はニューヨークのトロンボーンの代表選手といえば、J.J.ジョンソン。
では西はロサンゼルスのトロンボーンの代表選手といえば、

フランク・ロソリーノ

と相場が決まっています、よね??笑

J.J.に負けず劣らず、いや一説にはテクニックにおいてはその上をいくという
評もある名人であります。




〈収録曲〉
1.I May Be Wrong ( But I Think You’re Wonderful)
2.The Things We Did Last Summer
3.Frieda
4.Doxy
5.My Delux
6.Flamingo


そんな名手が残したトロンボーンのワンホーン物。
トロンボーンのワンホーンを残せると言うのはまさに名手の証ですな。
ブルーノート盤で日本で絶大な人気を誇るピアニスト、ソニー・クラークがピアノを務める点も
注目すべき点でしょう。

1曲目、"I May Be~"から牧歌的な悠々としたロソリーノの演奏に和みます。
続く"The Things we~"、丁寧にメロディを造形するロソリーノの後を受けて、
クラークのコンパクトながらツボを押さえたピアノソロが好演。
ラストを飾る"Flamingo"でもイントロからクラークのピアノがいい仕事してます。
まさに落語における

"マクラ話"のように聴き手をグッと掴みます。

て、あれロソリーノよりクラークばっかり褒めちゃってますね。笑
私はリーダーのクラークより、サイドメンとしてのクラークに魅力を感じるなぁ。

おいおい、だからロソリーノの事をもっと書けよって。

そりゃまた次の機会にでも。笑←オチになってない!

フランク・ロソリーノ
2012-12-19

ついに…

遂に…

三連休キター!!!!!!

明日はクリスマスイブであさってはクリスマス。
ちょうど休みになって喜んでいる方も多いことでしょう。
お店は大変ですねぇ、稼ぎ時ですねぇ。

かく言うブログ主の三連休の予定ですか!?
相も変わらずジャズライブ詣ですよ。





何か!?

ゴホゴホ、うん。気を取り直しましょう。
ここ最近行ったライブがトロンボーンのワンホーンやトロンボーンが加わったライブでしたので、
トロンボーンモードに突入したので、今回はこの盤を選盤いたしましょう。





J.J.ジョンソン「Blue Trombone」
レーベル:Columbia(コロンビア)
リリース:1957年

<レコーディングメンバー>
J.J.ジョンソン(トロンボーン)
トミー・フラナガン(ピアノ)
ポール・チェンバース(ベース)
マックス・ローチ(ドラムス)


ジャズトロンボーンの代表的プレイヤーとして真っ先に名前が挙がる、

J.J.ジョンソン

まさにジャズトロンボーンの革新者としていまだにその金字塔は輝き続け、
尊敬の念を集めています。



<収録曲>
1.Hello,Young Lovers
2.Kev
3.What's New
4.Blue Trombone(Part 1)
5.Blue Trombone(part 2)
6.Gone with the Wind
7.100 proof

トロンボーンのワンホーンというのはなかなか珍しいのですが、その中でもとびっきりの名手、J.J.の演奏でそれを堪能できるのですから聴かない手はありません。

メンバーの面々の名前を見ただけでニヤついてしまいます。
トミー・フラナガンはJ.J.のバンドで長年サイドを務めましたがそれだけにトロンボーンの聴かせ方をよくわかっているというか、弾き過ぎずにトロンボーンのスペースを充分取ってサウンドを構築しています。

J.J.はついつい超絶技巧に目と耳がいきがちですが、彼の良さとは何よりその滑らかな語り口。
速かろうが遅かろうが柔らかくきめ細やかにメロディを紡ぐその匠の"技"の方に改めて注目したい所です。
"What's New"といったバラードナンバーがわかりやすいでしょうか。
音量を程よく維持しながら細やかな音使い。
なんだかブルーな色彩が見えてくる気がしてきます。

マックス・ローチ、ポール・チェンバースにケチの付け所なんかありません!

さ、三連休突入の幕開けにこの名盤でまずは


リラーックスッ!!


J.J.ジョンソン
2014-02-26

とある日。
街を歩いていると目に入ってきた

コロッケ

の文字。
その文字の在り処は何を隠そう、精肉店さんである。
コロッケ、ハムカツ、ミンチカツなどなどの錚々たるラインナップとなれば足を止めざるを得ない。

頭の中で吟味する。
(以下、頭の中)

時間は15時30分頃。小腹が空いてきている。

油に入れた瞬間にパチパチと音を立てて、ジャガイモの甘い香りを放つのを想像すると余計に腹が空いてきた。

よし、コロッケだけでは寂しいのでハムカツも購入だ!
(以上、頭の中)

「すいませ〜ん、コロッケとハムカツ、ひとつづつくださぁぁ〜い!」

その二つを両手に持ち、ほくそ笑むブログ主。
こんなに美味しいものを手軽に安く食べられる幸せ。
その充足感に満たされた心で空を見上げると、これまた雲ひとつない空気の澄んだ快晴の秋の空。

そんな秋の空をイメージさせるジャケットの作品を選盤いたしましょう。
んー、またもや無理やり。笑



今西佑介「METEOROGY」
レーベル:NO BORDER RECORDS
リリース:2016年

〈レコーディングメンバー〉
今西佑介(トロンボーン)
横尾昌二郎(トランペット)
當村邦明(テナーサックス)
加納新吾(ピアノ)
光岡尚紀(ベース)
弦牧潔(ドラムス)

関西を中心に活躍するトロンボーン奏者、

今西佑介さん

率いるセクステット(6人編成)の作品です。リーダー作は今作が4枚目。
今西さんは兵庫県神戸市の甲南中高在学中にブラスアンサンブル部に入部。日本のジャズトロンボーンの大御所である宗清洋さんに師事。
卒業後渡米し、ハートフォード大学ハートスクールの「ジャッキー・マクリーン・インスティテュート・オブ・ジャズ」で世界的トロンボーン奏者スティーヴ・デイビスに師事。
2008年に卒業後帰国して現在に至ります。



〈収録曲〉
1.Touch of Spring
2.Strong in The Rain
3.Bromance Boogie
4.いわし雲
5.入道雲
6.Lucky to Be Me
7.Updraft
8.Starry Night
9.空っ風
10.Georgia on My Mind

3曲目をベースの光岡さん作曲で6、10曲目以外は今西さんのオリジナル。

1曲目"Touch of Spring"ではピアノがリードして、トランペット→トロンボーン→テナーと順に音が入ってくる冒頭の展開に正統派ハードバップのファンであるブログ主ニンマリ。笑
アルバムのスタートを切るのにふさわしいトラックだと思います。
意気のいい横尾さん、親しみを感じる優しい音色の今西さん、人肌の質感で迫る當村さんと三管のキャラクターが明確に出ています。
3曲目"Bromance Boogie"では弦牧さんのタイトなドラム捌きと作曲者である光岡さんの黒光りする渋いベースが印象的。
7曲目の"Updraft"はもう再生された瞬間から、次にはそのテーマを口ずさみ、

"これこれ、待ってましたっ!"

と心の中で叫んじゃって胸の高鳴りを感じずにはいられないナンバー。
あっという間に駆け抜け、曲が終わるのが名残惜しい!笑

各曲三管それぞれの魅力が活かされ、リズム陣もアクティブにフロントをプッシュ。
三管の色彩をより克明にしている加納さんの光るピアノプレイも聴き逃してはなりません。

伝統を守りながらも、明らかに流れている2000年代の息吹が脈打つ

現在進行形ハードバップ

に満たされる幸せをこの作品で感じてください。

今西佑介
2016-04-13


日本シリーズ終了。

北海道日本ハムファイターズ、日本一おめでとうございます!!

個人的には実は広島カープを応援していたのですが…泣(日本ハムファンのみなさん、すいません)
毎試合拮抗した試合で野球の面白さを味わえたシリーズでした。

3戦目の大谷のサヨナラ打、そして5戦目の西川のサヨナラ満塁弾という強烈な勝ち方と、栗山監督の采配がことごとく今回も決まりましたね〜。

惜しくも敗退したカープも今年の戦力が来季もほぼ残るでしょうから、まだまだ強いですよ〜。
来年のプロ野球も楽しみ!!

え、ブログ主の応援してるチームは!?
ですか?

内緒です←聞いてない

そのチームがCSに進出したらわかることでしょう。

さて、広島と日本ハムの両雄並び立つということで、トロンボーンの両雄並び立つこの作品を選盤いたしましょう。



ワイクリフ・ゴードン「Boss Bones」
レーベル:クリスクロス
リリース:2008年

〈レコーディングメンバー〉
ワイクリフ・ゴードン(トロンボーン)
アンドレ・ヘイワード(トロンボーン)
マイク・ルドン(ピアノ)
ジョン・ウェバー(ベース)
ケニー・ワシントン(ドラムス)

現代アメリカジャズシーンの牽引者、トランペッターのウィントン・マルサリスにデビュー早々その才能を見初められ、キャリア初期から現在に至るまで常に第一線で活躍してきたトロンボーン奏者、

ワイクリフ・ゴードン

このアルバムジャケットの出で立ちだけ見るとラッパーみたいに見えますが、その音楽性はゴスペルも消化した伝統的なアメリカジャズを体現しています。



〈収録曲〉
1.Spop
2.The Nick Of Tome
3.Recorda-Me
4.Another Slow One
5.Stardust
6.Wheatlegn Hall
7.Here's That Rainy Day
8.Nica's Dream
9.Anthropology

ケニー・ワシントンが締まりのあるドラムサウンドで先鞭をつけ、2本のトロンボーンが描き出すグラデーション。
緩やかな音像になる所をケニーが随所で音にメリハリをつけているから間延びしないんです。
各曲そのケニーのドラムが大活躍していて(目立たないところでも)、ケニーファンにもおススメの一枚。

選曲を見てもわかるとおり、スタンダードや往年のハードバップ名曲が散りばめられたバランスの良い中身。
ウィントン率いるリンカーンジャズセンターオーケストラの同僚でもあるアンドレもワイクリフに負けず劣らずの名手。この二人がいかに凄腕か"Anthropology"のようなビバップナンバーを聴けばイヤというほどわかります。笑
"Another Slow One"では

ブルース

を聴かせてくれますが、いやはや参りました。これぞジャズのブルース。
"Stardust"や"Here's~"ではウットリするようなバラードを。
何の衒いもなく素直な演奏だから、とっても心に
響くんです。

ジャズトロンボーンの魅力をお腹いっぱい楽しめる好盤ですよ~!


Wycliffe Gordon
Criss Cross
2008-12-03

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